震災支援タイトル

一般社団法人 東京都医療社会事業協会  No.47   2017.7.15

災害支援ニュース
つたえる
心をつたえる…様子をつたえる…事実をつたえる…手立てをつたえる…気持ちを伝える

[1]九州北部豪雨について

 7月5日、九州北部にて記録的な豪雨が発生しました。
 被災された方々に心からお見舞い申し上げます。そして、亡くなられた方々のご冥福を深くお祈り申し上げます。

 今回の豪雨によって、大分県や福岡県を中心に大きな被害が発生し、特に福岡県・大分県の一部の地域では災害救助法ならびに被災者生活再建支援制度が適用となっています。
当協会として、5日以降、日本医療社会福祉協会などの他のMSW協会や東京都社会福祉協議会、他の職能団体と連絡を取り合い、情報共有に取り組んでいます。
現地では、九州のMSW協会が中心となって、被害状況の確認等、早急に取り組まれています。
 今後も現状を注視し、他団体と情報共有や連携ながら、必要に応じた支援を検討してゆきます。
その際には改めて、会員の皆様にご連絡させて頂きます。
何卒よろしくお願い致します。

 ここ数日の間に、北海道や九州などで比較的大きな地震が頻発しています。11日には鹿児島県で震度5強の地震が発生しました。台風や地震など、国内において様々な災害が頻発しています。今後もより一層、全国のMSW協会同士の繋がりを深めてゆかなければならないことを、危機感を持って痛感しています。
 幸い、全国の都道府県にMSW協会が常在します。日常、連携や協働を生業としている私たちだからこそ、何よりも繋がりも深めること可能ですし、絶対必要な状況となっています。

~~参考情報~~

「水害があったときに~浸水からの生活再建の手引き~」

 「震災がつなぐ全国ネットワーク」という専門家の団体で作成されました。2015年の常総市の水害をふまえ、今年5月に完成されたばかりです。一般的な手順が記されているチラシは、以下のホームページにてダウンロード可能です。※詳細な冊子に関しては、取り寄せが必要です。※1部だけ、当協会の事務局にございます。
http://blog.canpan.info/shintsuna/archive/1420

東京ボランティア・市民活動センターによる情報
 東京都社会福祉協議会が運営している「東京ボランティア・市民活動センター」のホームページに、九州北部豪雨に関する情報が掲載されています。
災害ボランティアだけではなく、官公庁や被災された自治体からの情報、義援金の情報等も発信され、随時情報が更新されています。
https://www.tvac.or.jp/news/50075

福岡県・大分県弁護士会による情報
 福岡県と大分県の弁護士会では「弁護士会ニュース〈災害Q&A〉」を発行しています。今回の水害に関連する支援制度や支払い関係などの情報が掲載されています。
福岡県弁護士会 http://www.fben.jp/whatsnew/2017/07/post_478.html
大分県弁護士会 

以上の情報は、当協会ホームページの「災害支援情報掲示板」にも掲載しています。掲示板では、今後も新たな情報を追加してゆきます。

[2]今年度の災害支援対策委員会に関して

 協会の理事改正に伴い、災害支援対策委員会も新たなメンバーも加わって新体制となりました。委員長・副委員長に関してですが。  

委員長:  加藤 淳(牧田総合病院)
副委員長: 小林 直毅
冨士川 泰宏(康明会病院)

以上のメンバーで務めさせて頂きます。今後とも何卒よろしくお願い致します。

[3] 第37回日本医療社会事業学会にて活動報告を行いました

 6月3日(土)北海道「札幌プリンスホテル国際館パミール」にて開催された第37回日本医療社会事業学会において、災害支援対策委員会として発表を行いました。
演題名は「災害支援活動の継続から会員の活動に与えた拡がり ~他人事から自分事に~」。ポスターセッションによる発表です。

 ポスターセッション開催中、都内や他県のMSWの方々から立ち寄って頂き、「都協会の活動を職場に報告します」と声をかけて頂いたり、情報交換を行ったり等、大変有意義な一日となりました。
 学会当日、協会の活動に関してより理解を深めてもらうため、以下のテキストを来場された方々に配布させて頂きました。。
 今回改めて掲載させて頂きます


6年間の活動を重ねる中で ~他人事(ひとごと)から自分事(わがこと)に 

武山 ゆかり(豊島区医師会)

 東日本大震災の発災を契機に、都協会組織としてどのような支援活動が出来るのかを検討し、具体的に動くための委員会を、当初理事会社会問題対策部の中に設置した。その後、各地の災害や、首都圏にて発災する大災害への対処に備える対策にも取組み、支援から対策までを検討する、会員有志による運営に理事が加わる独立した委員会となり、予算化もし活動を展開してきた。その取組みを、毎年の日本医療社会事業学会にて発表するとともに、これまでの活動や研修会の内容は、機関紙「東京MSW」やホームページおよび報告誌『つたえる1』(2011.3~2013.3)『つたえる2』(2013.4~2016.3)に収録し適宜出版してきた。その内容の変遷は次のような流れになっている。
 素早い始動、日本協会と協働
 東京都医療社会事業協会の活動は、東京都民と都内で働く人々を対象とし、また都内の医療関係機関で働く医療ソーシャルワーカー、相談員等、都協会会員の命と健康を守り、医療福祉の前進を図ることを目的としている。しかしながら多くの犠牲者や広域避難者を出した2011年3月11日の東日本大震災に対しての支援は、都内にとどまらず公益社団法人日本医療社会事業協会や他県のMSW協会と協力して3月28日の先遣隊派遣(前会長:武山)を皮切りに、被災地支援や避難者の受入れや相談支援を行う体制を急ぎ立ち上げた。
 会員が現地の様子を報告 ぜひ自分の目で見て! 1日支援活動も
 被災現地に会長をはじめ、理事や有志が職務やボランティアとして4月以降様々な形で訪れ、その状況と支援の必要性を映像や報告書で会員に伝え、長期にわたる支援体制の必要性を会員全体の認識とするための活動を行った。また被災状況を実際に知ることこそが今後の支援や備えの構築につながると考え、8月には東京からバスをチャーターし、福島県いわき市にて1日支援活動を行った。また、石巻市の支援依頼を受けた日本協会の現地事務所常駐責任者に都協会会長(武山)が被災年の12月から翌8月まで担当し、全国からのボランティアMSWの協力を受入れ、仮設住宅や被災住宅生活者支援、多職種や学生ボランティアの組織支援などを行った。都協会からも多くの会員が岩手県や石巻市、仙台市若林区の避難所、仮設住宅、在宅被災者支援活動に参加した。
 自分が、今から、ここで出来ることを 会員全員が出来る支援を、都内での活動を
 「被災地のために、何か自分に出来ることがないか?」という会員に、仮設住宅避難者が編んだ「相馬あくりるたわし」の購入・販売から、バスツアーでの買い物支援、協会事務所での「非常食入替えと試食会」などで、現地支援へ行けない後ろめたさの告白、被災地を故郷とする親族への思い、など語り合う機会を作り吸い上げていくことを繰り返した。また、都協会事務所で、週日被災地からの避難者の入院・入所受入れ相談が出来る体制を会員有志の協力でつくった。また都内500か所分の「避難された方の医療福祉相談案内」
の掲示プレートを作成し、会員所属機関に送付し掲示を依頼した。
 2011年から2015年までは毎年、年1~2回の被災地フィールドワークと、宮城県及び福島県協会を励ます交流会を行った。支援活動に併せて健康被害や喪失体験についての研修、高台移転や産業復興上の深刻な問題などについて学び、支援にあたるための力をつける企画にも取り組んだ。被災県協会との交流に加え、関東近県の協会と呼応し、大規模災害時の相互支援、備えについての情報交換のためのシンポジウムを東京を会場に開催した。研修会の情報発信や、被災地交流ツアー、医療福祉110番開設など続けてきた。
 日々の業務に結び付けて災害を学ぼう 社会問題との結びつき
 都内でも、「原発事故子ども・被災者支援法」についての公開講座、親を亡くした子ども達の支援、悲しみに向き合う力の研修、『自分の病院が被災したら』をシミュレートする朝日新聞記者の講演、放射線についての勉強会などを開催した。当初ほとんど参加者の居なかった研修会や、シンポジウムに、多くの会員やMSWをめざす学生、介護・医療関連他職種の人々の参加をも呼ぶようになり、その内容は被災地のMSW協会や全国の県協会にも報告し、震災を忘れず、支援を継続し、ともに歩んでいることを伝えている。
被災者支援を目的に取組んだ研修や事業は、MSWの歴史や日常に、実は密接に関わる問題であることが次々に明らかになった。講演が契機になり東京都青少年自殺対策事業の駅前相談会事業の医療相談員、感染症対策、アスベスト問題、教育問題、医療と福祉の110番での全国呼びかけ、被爆者援護法と労災補償、復興住宅やまちづくりが、地域包括ケアや都市計画問題と、今日の社会問題、法律や制度利用や、弁護士等専門家を講師に、法律そのものを変える学習にまで繋がった。この6年間で、まさしく、どのMSWにとっても、遠方の「災害」が他人事から日常の我が事へと、会員の心の中で、大きく発展していった。
 災害から、自分と都民の命と生活を守るには… 
 一方、被災時の医療現場の混乱は、その備えが減災に繋がり、日常の連携強化や福祉的視点が、災害時要配慮者支援につながることが、過去の犠牲や経験から明らかになった。MSWとしての業務や活動が、災害支援から今日の社会問題へと大きく広がっていった。
 その中で「災害支援」という慣れない援助に足を踏み出せずいた個々のMSWも委員会の企画する研修や訪問に参加する中で、一歩踏み出す勇気を得て活動に参加しはじめた。当初の被災者の痛みへの共感から、被災者が主体的に被災の打撃から立ち上がるための支援を通じ、その方の職業や生活の歴史を知り、住民同士の支え合いの形成、またそうした輪に入れない人への個別支援の方法や制度などを、協会の企画した事業の中で、職場以外のMSW間で協力し創造していく活動を経験する中で、自らも鍛えられていった。
 災害に遭遇した時、自分は何が出来るのか?
 
今自分が働く機関や、居住する地域で、発災直後から、MSWとしてどう動くべきなのか、その迷いや不安に具体的なツールを用いて即、動ける備えを、今「災害支援委員会」が全ての会員に向け提示している。会員の安否確認、被災状況、救援ニーズの把握、患者受入れの可否などの連絡体制が徐々に整備を進めている。都と支援派遣の整備も準備をしている。発災時、自分のいる場所の福祉避難所はどこか?気になる在宅患者(要配慮者)の支援体制は?職場での役割は?減災をめざし、まだ押さえておくべき項目は数多くある。


 「つたえる」では、会員の皆様からのご意見を募集しております。震災と、その支援に関しての経験、意見や想い、伝えたいことなど、是非お寄せ頂ければ幸いです。字数など、特に細かい制限はございません。
 ご寄稿下さる方は、都協会事務局にご連絡の程、よろしくお願い致します。
 過去のバックナンバーは当協会のホームページにて閲覧可能です。

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