震災支援タイトル

一般社団法人 東京都医療社会事業協会  No.50  2018.3.5

災害支援ニュース
つたえる
心をつたえる…様子をつたえる…事実をつたえる…手立てをつたえる…気持ちを伝える

  2011年4月18日に第1号を発行してから、今号で第50号となりました。今後も災害支援対策委員会の使命として、活動内容や情報を発信し続けます。

 

[1]宮城県訪問と宮城県MSW協会と交流会を行います

 当協会では2011年11月以降、宮城県訪問と宮城県のMSWの方々との交流会を行ってきました。今回、3月17日・18日に、6回目の交流会を行います。
 参加のご応募頂き、ありがとうございました。
 初日は、石巻赤十字病院にて「災害ソーシャルワーク研修」へ参加します。2日目は、2016年9月に新たなに建設された石巻市立病院にて、活動報告とディスカッションを行い、その後石巻市を中心にフィールドワークを行う予定です。
 東日本大震災から7年目を経る今、宮城県の現状や課題、現地の方々の想いを学び、宮城県のMSWの方々との繋がりを更に深める機会になればと思います。


 

[2] 1月に災害研修を行いました

 1月26日、福祉財団ビル大会議室にて、熊本県医療ソーシャルワーカー協会会長の土肥 尚浩 氏を講師としてお招きし、災害研修を行いました。
 当日は他県協会も含め、多くの方々にご参加頂きました。
 当日の詳しい報告や参加者の感想に関しては、次号以降の「つたえる」にて掲載致します。

 

[3] 生活協同組合パルシステム東京「子どもの甲状腺検診」参加報告

牧田総合病院 加藤 淳
 生活協同組合パルシステム東京主催による「子どもの甲状腺検診」に、昨年に引き続き当協会からソーシャルワーカーを派遣しました。
 「生活協同組合パルシステム東京」において、毎年「子どもの甲状腺検診」が都内にて実施されています。検診当日、受診者へのアフターフォローとして、ソーシャルワーカーによる相談窓口が設けられており、昨年度に引き続き、MSWの派遣を当協会が受託しました。
 今年度は12月9日・10日・16日・17日の計4回開催され、約200名の方々が受診されました。当協会から5名のMSWが参加し、相談に対応しました。
 原発事故をきっかけに、多くの方々、特に小さな子どもを持つ親御さんにおいて、甲状腺に関する関心と、大きな不安が高まったことは確かです。しかるべきフォローを行ってゆかなければならないことを、改めて実感させられました。
 終了後、パルシステムのスタッフの方々からは、「職員も検診参加者も、大変心強く安心感を持つことが出来ました」「来年度実施の際にもまた御協力をお願い出来れば」との言葉を頂きました。
 来年度も、当協会として引き続き協力していきます。


[子どもの甲状腺検診に参加して]
豊島区医師会 武山ゆかり
 今回で3回目になる生協団体の甲状腺検診事業に今年も参加しました。今年度の3日目で、土曜日ということもあり、一番参加人数の少ない日でしたので、受付や進行に関わる職員も終始にこやかで、エコー検査担当の医師もゆったりと説明下さったせいか、MSWへの相談も無く終わりました。(017/12/16 42名受診)
 「せっかくいらして下さっているのに、相談が無くてスミマセン!」と恐縮されましたが「要精査」となる方が無く「経過観察」も少なかったということは「良かった!」ことなのですから。前回、福島から避難されてきていた方が検診に来られ、こころの内に溜っていた思いが相談を機会に一気に噴出され涙が止まらなくなられた、ということもあったとか。一方、昨年「経過観察」だったお子さんが、成長して消える嚢胞(のうほう)が見事消えて「よかった~!」と報告して下さる方も今年は在り、継続しての検査が、この時代に育つ多くの子どもにとっても、大切な医療情報の蓄積につながることを実感しました。
 11月26日に行われた「検診事前説明会」での「さがみ医療生協病院内科部長」牛山元美医師の講演~「いま」改めて考える 放射能とその影響~においても、まだ解明されていない内部被曝についての知見や、福島県民健康(管理)調査の不備にも触れられ、将来への不安に添い、また原発事故にそなえることの意味が参加者に理解され、国や県や東電から伝えられていないことの問題点にも言及されています。
 私の読んだ10/27付の朝日新聞では、原発事故当時18才以下だった38万人を対象にした甲状腺検査で、新たに2人が甲状腺がんと診断され計154人になったと報じています。またがん、または癌の疑いのある方は5人増194人となったと報じられています。福島から避難された方も、とどまった方も、それぞれに抱える不安や後悔を耳にします。
 牛山医師のスライドにも、未来のために今出来ること「過去を後悔するより、今行動して未来を変えよう」と結ばれていました。乳歯の保存、甲状腺検診、食物への留意もです。
 検診協力団体「いわき放射能市民測定室たらちね」の方からは、検査結果を渡し簡単な結果説明をされる際に、「もし、不安なことや受診先の相談などがあれば、医療ソーシャルワーカーさんもあちらに待機して下さっていますよ」と声がけをしてくれたり、生協職員がMSW紹介の協会リーフ、2月の「医療と福祉110番」のチラシなども置いて下さったりと、広報もして下さいました。
 両親に付き添われて、帰りに何処かへ寄るのを楽しみにしている子、お父さんと来た子、親の背を越した高校生と様々な親子のやり取りを、相談のコーナーから眺めつつ、この子たちが生きる未来に原発事故や核兵器の被曝がないことを強く願った1日でした。



独立行政法人労働者健康安全機構 東京労災病院 山本 明奈
 パルシステム東京の子どもの甲状腺検診に際し、11月26日に開催された検診事前説明会に参加しました。そこで、さがみ医療生協病院内科部長の牛山先生より、放射能の被ばくによって数年後に発がんした症例報告があり、東日本大震災での原発事故から数年経った今でも、見えない放射能の不安は拭えきれないものだと感じました。事前説明会にはパルシステムの組合員(主にお母様方)の皆さんが数多く参加されており、福島県の復興支援に対する想いや、内部被ばくに対する不安など、会場から多くの質問や感想が飛び交っておりました。そのような親御さん方の漠然とした不安や見えない不安に少しでも寄り添い、お話が伺えればと思い、子どもの甲状腺検診の最終回に参加しました。
 甲状腺検診の最終日は3件の相談がありました。その相談の中に、放射能の影響を不安視し、子どもに与える食べ物・食材をどう選べば良いのかと悩んでいらしたご両親がいました。そのご夫婦は「私たちって神経質に考え過ぎなのかしら?周囲からも放射能のことを気にしすぎて、変に思われていると思います…」と不安そうな面持ちでお話しを始めました。
 正直なところ、私自身も食材を選ぶ際に放射能の影響や産地など気にしたことがありませんし、放射能の影響などあるのか?と半信半疑なところがありました。
 しかし、見えないものへの不安が、ご両親たちを悩ませているのだと感じました。
 世の中は復興に向けて一直線で、マイナスな発言や過去にいつまでも囚われることを許さないような風潮があるのではないでしょうか。そのような風潮や空気感がご両親たちを更に孤立させ、どこにも不安の声が上げられずにいるのだと感じました。そのため、今後も子どもの甲状腺検診等の機会があれば、是非参加し、少しでも不安に寄り添えるような声掛けや、不安の声を自由に発言できる場の提供できればと感じました。




 「つたえる」では、会員の皆様からのご意見を募集しております。震災と、その支援に関しての経験、意見や想い、伝えたいことなど、是非お寄せ頂ければ幸いです。字数など、特に細かい制限はございません。
 ご寄稿下さる方は、都協会事務局にご連絡の程、よろしくお願い致します。
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