2019.12.06
つたえる 2019.12.06 No.56
[1]令和元年台風19号に関して
災害支援対策委員会
委員長 加藤 淳(牧田総合病院)

 10月12日に発生した令和元年台風19号により、関東も含め広範囲で甚大な被害が生じました。
 被災された方々には心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々には謹んでお祈り申し上げます。
 
 都内の被害状況に関して、人的被害に関して死者1名、軽傷者10名、建物被害2000棟以上が全壊・半壊や浸水被害などの多大な被害が生じました。医療機関においても浸水被害が生じ、全入院患者が近隣の医療機関に緊急に搬送されています。  
 計29の市区町村にて災害救助法の適用となり、大田区、八王子市、あきる野市、日の出町、檜原村においては被災者生活再建支援法の適用となりました。
 ※2019年12月1日時点
 あきる野市においては20人以上の方々が災害発生以降、11月中旬まで避難生活を送られており、その後は借上げ住宅などに転居となっています。

 災害発生時、都内において多くの方々が避難所に避難されました。その一方、台東区において路上生活者の方が、区民ではないことを理由に受け入れを拒否された問題が生じています。

 全国各地においても甚大な被害が生じています。浸水や泥の影響で、多くの地域で生活再建の目処が立たない状況が生じています。千葉県では台風15号の被害からの復旧作業の中での今回の災害に加え、10月末の大雨によって更なる被害が増大しています。東北においても、東日本大震災の被害を受けた方達が9年目にして2度目の被害を受けたことは、社会的にも精神的にも多大なダメージであるはずです。
 災害規模の全容が未だに明らかになっておらず、特に在宅被災者の現状が把握しきれていない状況です。

(1)都協会の発災以降の活動について

10月
12日~13日:台風19号による発災
13日:理事・委員間における安否確認
    協会ホームページ「災害支援情報掲示板」情報掲載開始
    日本医療社会福祉協会事務局にて他団体と情報共有(田上会長)
14日:事務局において今後に向けての資料準備
15日:被災地域医療機関の確認開始
    関東圏MSW協会状況確認・共有
    会長会メーリングリストにて情報連絡
16日:災害支援対策委員会 実施
    東京都社会福祉協議会及び他職能団体状況確認・共有
17日:東京都災害ボランティアセンター 第1回共有会議 参加
19日:理事会 実施
22日・23日:約500機関の会員医療機関FAX
25日:東京都災害ボランティアセンター共有会議 参加
    ※台風21号発生
29日:全国社会福祉協議会  全国情報共有会議 参加

11月
6日:災害支援対策委員会 実施
8日:東京都災害ボランティアセンター共有会議 参加
16日:理事会
22日:東京都災害ボランティアセンター共有会議 参加
25日:東京都知事とのヒアリング

その他:他団体状況確認、災害ボランティアセンター参加など

 発災直後は、理事、委員会間でメールやline、MCSなどにより安否確認や各地の被害報告の情報共有を行いました。メンバーの中には、避難所に家族で避難した人、MCS(メディカルケアステーション)を駆使して地域の関係機関と災害時にリアルタイムで連絡を取った人、浸水した職場の対応を行った人など、一人一人が様々な状況でした。
 翌週以降は、他県協会や他団体などと情報収集や共有を図っています。
 他県協会の中には、群馬県のようにDWATの一員として被災地に支援に入った協会もあります。

(2)今後に関して

【1】皆様の職場や地域の被害状況などお知らせください
 各地の被害や支援を必要とする状況など、共有すべき情報をお持ちの場合は、都協会宛てに御連絡下さい。
 地域の被害状況や支援の要望など、「東京都の医療ソーシャルワーカーとしての視点」による皆さんの声を届けて頂き、都協会として今後の活動を検討していきたいと思います。
 被害に遭われた方々へのご支援ご協力をいただけますよう、よろしくお願い致します。

【2】東京都医療社会事業協会のホームページを活用ください
①「災害支援情報掲示板」を設けており、
 今回の水害に関連する制度などの情報を掲示しています。
②災害関連制度の情報コーナー「みんなで学ぼう!災害制度」を設けています。
 上記は、都協会会員以外の方も閲覧可能です。少しでもお役に立てば幸いです。
http://www.tokyo-msw.com/index.html

【3】災害ボランティアに関して
 各被災地において、多くのボランティアが求められています。全国社会福祉協議会のホームページには各地のボランティア情報が掲載されており、特にボランティアを多く求める地域など現状と詳細が随時更新されています。
https://www.saigaivc.com/

 現段階では、東京都災害福祉広域支援ネットワークや、日本医療社会福祉協会などからは、情報共有のみで支援要請はまだ受けていない状況です。
 しかし、今後の被害状況によっては東日本大震災や熊本地震と同様、支援要請が入る可能性があります。12月の寒い時期に入ることによって、健康被害や震災関連死が増大していく恐れがあります。
 要請が入り次第、会員の皆様に呼びかけさせて頂きますので、御協力の程、よろしくお願い致します。

[2]災害支援研修
「人工透析と在宅酸素の災害時対応についての勉強会」のお知らせ
[開催日時]2020年1月30日(木)19時~21時
[申込締切]2020年1月15日(水)まで
[開催場所]福祉財団ビル7F 大会議室  〒170-0005豊島区南大塚3-43-11
※ビル通用口からの出入りになります。扉を開けますので、事務局へご連絡下さい。
[申込方法]全会員に配布済みの申し込み用紙に必要事項を記入の上、協会事務局宛にFAXにてお送り下さい。
[お問い合わせ先]東京都医療社会事業協会(事務局) TEL03-5944-8912

     〒170-0005豊島区南大塚3-43-11 福祉財団ビル5F
 災害が起こった時に人工透析や在宅酸素が必要な方に対してどの様な対応、対策がなされているのかなど臨床工学技士(ME)や在宅酸素を扱う関係機関の方などからお話をうかがいます。普段あまり学べない災害時の対応について皆で一緒に学べたらと思います。